XPは自由か?

XPでやってます、というと、なんだか自由気ままにやっているように思われることもあります。自由気ままどころか、グズグズでやっているように言われることすらあります。
だけど、それは違います。確かに、考えることや自分の意見を言うという面で自由な雰囲気はありますし、大事にしています。しかし、実際の作業ベースでいうと、かなりキチンとしています。まず、ショートリリースにすることで、ある期間で作るべきことは明確になると同時に、そこに間に合わせるために、最初の内にダラダラするなんてことはありえません。これは、ウォーターフォールを採用した場合に、要件定義や機能設計あたりでは、余裕がありすぎて少しだらけてしまうこともありますが、それに比べるとかなり厳しいです。プロジェクトの初期段階から結構ピリピリします。むしろ最初の内の方がナーバスになります。次に、毎朝スタンダップ・ミーティングという形で進捗会議があります。毎日全員で、昨日の実績とその日の予定を確認します。予実に差がある場合、即座に問題として認識を共有できます。これも、ウォーターフォールの場合にありがちな週1回の進捗報告の定例会議での報告に比べて、格段に厳しいです。週に1度の報告であれば、そのうちの1日をダラダラと過ごしても、もし後でリカバーできるならそれでも構わないことになりますが、毎日の報告だとそうはいきません。XPのスタンダップには、まるで軍隊のような規律があります。余談ですが、だからスタンダップ・ミーティングなんて言わず、ブリーフィングと呼ぼうかと考えたりも。
このように、XPでの開発は、ウォーターフォールでやってきた開発メンバーにとっては、最初のうちは結構しんどいものになります。それでも、そのやり方を続けていると慣れてきて平気になってきます。多分。今の所、私の周りはそうなってます。
おそらく、ソフトウェア開発って、ほぼ個人のセンスだけの世界だったのが、XPのようにすると、個人個人が自分の力量を認めて、その範囲内で全力を尽くせるようになっているように思います。ダラダラと残業するでもなく、追い詰められるように残業するでもなく。それでは仕事が成立しない?・・・そう、今まではそういったことを認めずに管理してきたから失敗してきたのではないだろうか。追い詰めなければ出来ないものは、そもそも前提が間違っているのだろう。・・・そうは言っても・・・というのもわかりますけれどね。