日本XPユーザグループの代表を辞任します

昨日のXP祭りで発表させて頂きましたが、長らくつとめさせて頂いた日本XPユーザグループの代表を辞任して、次の方に引き継いでいくことにしました。まだ、どなたに引き継ぐか、どういう形のコミュニティにしていくかは、決まっていないので、これから話しあっていきたいとおもいます。

ずっと考えてきたことでもありますが、いざ話すとなると、やはり緊張しました。

代表を5年も続けさせてもらったこともあり、上のプレゼンでも話した通り、コミュニティの形が今後変っていくかどうかも含めて、考える時期にきたこともあり、私以外の人に譲ることで、コミュニティそのものの新陳代謝を起こしたいと思っています。

また、私自身の状況としても、経営者としての仕事を続けている中で、Agileなソフトウェアビジネスは追求していきますが、XPそのものが私の仕事のど真ん中からずれてしまったことも理由です。ぜひ、XPJUGを引っ張って行くのは、XPと仕事がぴったり重なるような方が良いと思っています。

あとは、代表という立場でなく、もっとフリーなテーマで事例発表なりが出来たら嬉しいかな、というのもあります。ですので、今後も、なんらかの形でXPJUGには関わっていきたいし、むしろ積極的に講演や発表もさせてもらえたらな、と思います。(もちろん、呼んでもらえたら、ですけれど)

これから、スタッフや、XPJUGの参加者の皆さんとともに、しばらくは時間をかけて、今後について考えていきたいと思います。じっくりと。

私が代表になって初めてのXP祭りは、2005年の祭りでした。それから、今回で5回目の祭り、ということになります。XP祭りも含めて、XPJUGの周辺はとても穏やかで、温かで、熱意があふれ、前向きに動かしていこうという人たちの集まりで、私にとっては、とても居心地の良い場所でした。

XPとXPJUGで、大事なことは私が代表していること、ではなくて、参加している一人一人が現場でどう実践していくか、だと思います。私は、一時、エンタープライズやビジネスに傾倒して、XPやAgileにだって「権威」は必要かと考えたり、ビジネスモデルが変らないと駄目だと考えたりもしていましたし、今も考えているところはあります。しかし、そんなことよりも、「現場を改善していく」という意思と情熱が大事なんだと気付きました。私自身の最初のモチベーションもそこでした。なんだか、遠回りをして、1周まわったんだけど、同じところに帰ってきたような感覚です。

情熱がないと続かないんです。

アジャイル宣言風に言うならば、「ビジネスモデルの変化よりも、個人の周囲を変える情熱に、価値をおく」ということでしょうか。左側も大事だけど、それよりも大事なことがあるという意味で。

XP祭りに集まって頂いた皆さんは、休日にも関わらず集まる情熱をもっていて、その情熱を共有する仲間を見つけることができたのではないでしょうか。次は、皆さんの職場でその情熱を、周囲の人にお裾分けしていってもらいたいと思います。それが、私がXPJUGへの「恩送り」であり、それを次の人たちへ送ってもらいたいと願います。

業界を変える?世界を変える?という大きなことは言わなくても良いんです。同じプロジェクトで一緒に働く人たちの笑顔、色々と無理難題を言ってくるけど憎めないマネージャ、一緒に一喜一憂してくれるお客さん、自分たちの作ったソフトウェアを使ってくれるユーザさん、世界はそこにあるんです。自分のまわりを笑顔にしていきましょう。

なにより自分が楽しく仕事ができるように。本当に、皆さん、自分の仕事を楽しんでください。ソフトウェアを作る皆さんは本当に素晴らしい。誇りをもってください。そして、情熱を周りの人にお裾分けしてあげてください。

これが、XPJUG代表としての最後のメッセージです。本当に長い間、ありがとうございました。