アンチプラクティス『チキンレース』

まぁ、アジャイルに限ったことではなくて、むしろ、計画駆動型開発に多いかもしれませんが。。。


複数のチームのリーダーが集まって、さらに上長、もしくは顧客への進捗報告の打合せの時に発生します。自分のチームの進捗状況を話す際に、進捗が多少遅れてても、「オンスケジュールです」と報告してしまう。


これは、自分のチームのせいで、全体の進捗が遅れているようになってしまうと、全体が遅れている責任をとらされてしまう、という恐怖感から予定通りと報告してしまう事象です。実際のところ、他のチームも遅れている場合が多いです。


こういう場合、大体において、誰もがどこもかしこも遅れていることがわかっていて、誰かが言い出さないといけないのですが、言ったらその人の責任にされてしまうので言えない。むしろ、言い出したら負け、みたいな雰囲気になって、みんながみんな強がってしまう。「誰か遅れてるって言い出さないかなぁ」と思いながら。


まさしく、「チキンレース」の様相を呈してしまっています。


これは、かなり危険な状態にあると言っていいでしょう。結局、プロジェクト全体がドツボにはまるのは目に見えてます。複数ベンダで顧客に報告する時は、さらにひどいことになりそうです。


進捗報告は、ありのままを伝えることが大事です。遅れてるときにこそ、勇気をもって!・・・とはいえ、やはり最初に言い出すのは難しいですね。


これは、報告する側の立場でばかり考えると解決しません。まずは、報告先の人間の意識改革が必要です。報告を受ける側も、進捗報告する側と一緒になってシステムを作っているのだという意識を持つ必要があります。そうして、遅れていることを自分自身の問題として考えて受け入れるようにすると、報告する側は報告しやすくなります。


あとは、それぞれのチームが保身に走らず、フォローし合えれば良いのですが、そのためのノウハウはまた別でしょうね。